療育センターは、発達障害や学習障害を持つ子供やその家族に支援を提供する場所です。療育センターには具体的な定義はありませんが、お子さんが療育を受けられる施設の総称を指しています。
児童福祉法で定められている、障害者支援施設全般を療育センターとして扱うケースが多くあります。
今回は、療育センターについて、どのようなメリットや目的で利用するのかを解説します。
療育センターとは
療育センターは、専門のプロフェッショナルが集まり、個別のニーズに合わせた支援を提供する障害者支援施設の総称です。センターの種類にもよりますが、センターへ通うことで、子供たちは適切な療育プログラムを受けることができ、家族も情報やサポートを得ることができます。
療育センターに該当する施設
一般的に療育センターに該当する施設の例として、以下の施設があります。
- 児童発達支援
- 放課後等デイサービス
- 医療型児童発達支援
- 障害児入所施設(福祉型・医療型) など
イロドリは「児童発達支援」と「放課後等デイサービス」に該当します。いずれもお子さんを対象に療育を行う施設ですが、対象年齢が異なります。
児童発達支援は未就学児、放課後等デイサービスは6~18歳の就学児を対象とした療育施設です。
療育センターを利用するには
児童福祉法で障害児支援を行うと定義されている療育センターを利用するには「受給者証」が必要です。
まずは自治体で受給者証の発行が必要
障害をもつお子さん向けの受給者証は、大きく分けて二種類です。
・障害児通所支援受給者証
・障害児入所支援受給者証
名称通り、通所支援の方の受給者証は「児童発達支援」「放課後等デイサービス」などの通所系施設を利用するのに必要な手帳です。
一方、入所支援の受給者証は、お子さんが入所をして支援を受けるために必要な受給者証です。
まずは発達相談につながって段階を踏もう
まだ受給者証の発行を受けていない、診断もついていない……と言う場合、まずは自治体と連携している発達相談の窓口を予約し、相談してみましょう。そこでお子さんの様子や成育歴を相談し、必要に応じて発達検査を行える病院を紹介してもらえます。
実際に病院受診と相談窓口へとしっかりと通い、必要性が認められれば受給者証の取得に向けて動くことができます。
一宮市の場合は、まず「子ども相談いずみん」や「まーぶるの森」「療育サポートプラザ チャイブ」といったところに相談可能です。
発行後に療育センターを選ぶ
受給者証を取得後は、利用する療育センターを選びましょう。具体的な手順は、以下の通りです。
1.情報収集
インターネットや地域の情報源から、近くの療育センターを探しましょう。口コミや評判を調べることも重要です。
2.訪問
複数の療育センターを訪れ、施設やプログラム内容を確認しましょう。スタッフと話すことで、センターの雰囲気や方針を理解できます。
3.申し込み
選んだ療育センターに契約の申し込みを行います。必要な情報や書類を提出し、受け入れのプロセスを進めます。
4.契約・面談
センターから契約・面談の日程が通知されます。子供のニーズや目標、家族の希望について話すチャンスです。
契約時に必要な持ち物を忘れずに行きましょう。
契約時は具体的な利用日程などの確認、送迎がある場合はどのように対応してもらうかの相談を行います。
通いのスケジュールとプログラムについて
療育センターでは、個別のプログラムが組まれます。ここでは、通いのスケジュール調整方法とプログラム内容について説明します。
スケジュールの調整
センターで提供されるプログラムの日程を確認し、子供の日常生活に合うように調整します。
療育は短期間で成果が出るものではなく、長期的な取り組みが必要です。スケジュールを継続的に調整していくことが重要です。たとえば、固定で週2回利用など、具体的かつ継続的な日程を組みましょう。
プログラムの内容
療育センターでは、以下のようなプログラムが提供されます。
・個別指導……子供の発達レベルに合わせて、個別の指導プログラムが組まれます。指先の工作や作業などの活動に加え、言語療育や社会スキルのトレーニングなどが含まれることがあります。
・グループ療育……同じニーズを持つ子供たちが集まり、グループでのアクティビティやコミュニケーションの練習を行うこともあります。また、グループでの運動療育を行う施設も人気です。
両方を行っている施設もありますが、どちらかに特化している施設もあります。特色を確認し、ニーズに合わせて選びましょう。
家族へのサポートも受けられる
療育センターは子供だけでなく、家族にもサポートを提供します。以下でその方法を紹介します。
〇情報提供〇
療育についての対応方法や実際の療育の手法、家庭でできることやお子さんの発達の様子などの情報提供を行います。
〇ワークショップ〇
療育に関するワークショップやセミナーが開催されることがあります。発達障害や学習障害についての理解を深める機会です。
〇相談支援〇
ご家庭でのお子さんの発達に関する悩みなどの相談サービスを受けることで、家族のストレスや不安を軽減する支援が受けられます。個別支援計画に盛り込むことで、施設での個別の相談支援の枠が使えます。
センターだけではなく家庭での取り組みが重要
療育センターにいけば子どもの発達はよくなると考える方もいますが、実際には施設と家庭が一体となり、連携してお子さんに対する発達支援サポートを行うことが重要です。
センターでできるようになったことがあっても、家庭で同じように接しないと、おもったような効果がでないことも、
センターで実践している療育について、家庭でもよく理解し、日常生活でもペアレントトレーニングなど実践できる手法でお子さんの発達サポートを行うのが理想です。
まとめ
療育センターへ通うためには、適切なセンターの選定から申し込み、プログラムへの参加、家族へのサポートまで、いくつかのステップが必要です。子供の個別のニーズに合わせた支援を受けながら、発達や成長を促進しましょう。家族全体の協力とセンターの専門知識が、成功へのカギとなるでしょう。